世界で活躍するために必要なチカラはなにか? 大阪国際大学×パナソニック株式会社

  • グローバルビジネス学部 学部長就任予定 奥林 康司 おくばやし・こうじ/1944年生まれ。’69年に神戸大学大学院博士課程退学後、40年近く、母校神戸大学で教員を務める。放送大学客員教授を務め、欧米のさまざまな大学で研究員、客員教授を務める。’12年からは現職就任。
  • 人材開発カンパニー 社長 阿部 信弥 あべ・しんや/1956年生まれ。’80年に京都大学経済学部卒業、松下電器産業株式会社入社。シンガポール松下無線機器、アメリカ松下電器 人事部、パナソニック ベトナム有限会社 社長等を経て、’10年現職に就任。

2014年4月にグローバルビジネス学部を立ち上げ、世界で活躍する人材の育成に取り組む大阪国際大学。世界で活躍するとはどういうことか。世界で活躍するために必要なチカラは何か。現在も企業の第一線で活躍しているGlobal Business Personに話を聞いた。

「シンガポールでは、現地に馴染むために

奥林:
今、日本ではグローバル人材の育成が叫ばれていますが、阿部さんの会社では、どのような取り組みをされていますか。
阿部:
当社では、国内外問わずパナソニックの全従業員を対象に、経営理念や開発、ものづくり、マーケティングに関する研修を行っています。
奥林:
阿部さんが入社されてからグローバルパーソンとして活躍するまでのお話を聞かせてください。
阿部:
私は、入社したその年に海外研修生となり、2年間シンガポールへ赴任することになりました。当時の社長からは、「とことん現地にとけ込んで、現地の人に好かれなさい。そして天衣無縫にやってこい。」という言葉をかけていただいて、今でもその言葉は心に残っていますね。
奥林:
シンガポールでは、どのような事業をされていたのですか。
阿部:
オーディオの製造工場で、材料調達のオペレーションの仕事をしていました。そのときは、まだ英語もあまり話せなかったのですが、とにかくコミュニケーションをとって現地に馴染もうとがむしゃらでしたね。文化や言語が違う国で2年間暮らしたことで、私なりに『グローバル』というものを少しは理解できました。

「国際社会の現場では、自分の意見を持つことが大切なのですね。」

奥林:
現地へ行って、現地の人と直接コミュニケーションをとるということが、グローバルへの第一歩になるということですね。では、グローバルに活躍するために大切なこととは何でしょう。
阿部:
やはり、自分の考え方、自分の意見というのをしっかり持つということですね。国際会議でよく日本人を批評して言われているのは、スマイル・スリープ・サイレントの『3S』です。会議に出ても、ニコニコして寝たフリをして何も喋らない。まだまだ自分の意見を言えない日本人が多いように感じます。これでは世界で通用しません。
奥林:
ケンカをする必要はないけれど、自分の意見をはっきりと伝えなければいけないということですね。しかし、全てを英語で伝えるというのは難しいですよね。
阿部:
そうですね。しかし、下手な英語でもいいから、とにかく発言するということが大切なんです。たとえ間違っていてもいいから、とにかくまずは勇気を出して喋ること。これが国際社会では重要なんです。
奥林:
では、大学の授業でも最低1人1回は英語で発言させるようにするのもいいかもしれませんね。
阿部:
ええ、そういうことも練習になりますね。

奥林:
大阪国際大学では来年度に、経営学を中心としたグローバルビジネス学部が誕生予定です。積極的に海外へ挑戦したいと考える学生を募集し、海外研修や留学へ全員参加するカリキュラムを構想しています。実際に海外を体験しなければ得られないスキルとは、どういったものでしょうか。
阿部:
海外へ行くと、必ず何らかの壁にぶつかります。言葉や文化だけではなく、身振りや手振りまで違ってきます。私も海外赴任中、労働争議に遭遇しました。これは日本では経験できないことです。こういった問題に繰り返しぶつかり、乗り越えていくことで、人は成長することができます。スキルではないですが、このような経験したこともない厳しい状況を自らの力で乗り越えていくこと、これこそが海外体験で得られるモノだと思います。
奥林:
今の時代、インターネットで海外の情報を得ることもできますが、やはりそれだけではグローバル人材としての力を身につけるには不十分だということでしょうか。
阿部:
そうですね。「他国の人の価値観を尊重しながら、いかにお互い協調し合えるか」を学ぶには、インターネットは最適ではないんです。だからこそ、学生の方には、できるだけ海外へ行って、いろいろなことを経験し、どんどん壁にぶつかり、悩んで欲しいと思います。
奥林:
大阪国際大学ではパナソニックと提携した研修プログラムも現在構想しています。在学中から実際の企業を体験することについてはどう思われますか。
阿部:
学生のうちから現場を知ることは、必ず力になりますね。
奥林:
今後もグローバル人材を育成するため、積極的に取り組みたいと思います。貴重なお話をありがとうございました。

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