11月29日、「進路・就労準備型放課後等デイサービスODEN」の子どもたちを招いて、心理コミュニケーション学科のプロジェクト「フォト・ベースド・コミュニケーション」、略して「フォトコミ」が開催された。

 緊張している様子で始まった今回のフォトコミ。大学に初めて足を運んだであろう子どもたちに、まずはキャンパスツアーを行った。ツアーから帰ってきた子どもたちはみんな笑顔で、ツアーを通して緊張が和らいだようだった。その後のランチタイムでも「これ美味しいよね!」「さっきのツアーでお気に入りの場所見つけた?」など、大学生ともたくさん会話をし、カメラで「発見」をする前にお互いの仲が深めることができて嬉しかった。

 いよいよカメラを手に取って写真を撮る時間になると、「ここに行きたい!」「これが撮りたい!」という希望は特にない印象だった。だが希望がないからこそ、目的を決めずにぶらぶら歩く中で自分がパッと惹かれたものにカメラを向け、様々な角度、構図でシャッターを切ることが、自分だけの特別な「発見」に繋がったのだと思う。

 
 写真を共有し合う場面では、「きれいだったから」というシンプルな理由から、「〇〇をイメージして撮った」という意味を込めた理由まで様々あって、その写真にまた他の人から感想をもらう。これを通して、子どもたち同士でも普段とは違ったコミュニケーションが出来たのではないだろうか。

 カメラを使って普段は意識しない日常の中から自分だけの「発見」を探し、こだわって撮った特別な写真を通して、子どもたち同士、大学生、先生、家族などたくさんの間でコミュニケーションがうまれる。まさに「フォト・ベースド・コミュニケーション」の意義を強く感じられる、とても良い時間になった。今回参加してくれた子どもたちには「写真っていいな」「大学っていいな」など、何か1つでも心が動いた瞬間があればいいな、と思う。

【文】心理コミュニケーション学科3年 志賀煌梨
【写真】soramark 相葉幸子
【担当教員】林 幸史