ガンバプロジェクトⅠ 活動レポート

 2022年から始まり今年で4年目を迎える「ガンバプロジェクト」は、大阪国際大学人間科学部スポーツ行動学科とJリーグ・ガンバ大阪との産学連携事業として実施されています。本プロジェクトは、学生たちが実際のプロスポーツクラブの現場課題に直接触れ、課題解決に向けた提案を行う唯一無二の学びの場として位置づけられています。今年度は過去最多の1年生14名、2年生5名の合計19名が参加し、座学にとどまらない「実践的スポーツマネジメント教育」を体感しました。

 活動の第一歩は、令和7年6月4日に行われた事前研修です。参加学生が初めて一堂に会し、互いに自己紹介を行った後、7つのテーマ(ゲート・入場管理、グッズ販売エリア、飲食ブース、表示・サイン、客席・ファンの様子、演出、ユニバーサル対応)に基づくグループ分けが行われました。グループ毎に「観客が“また来たい”と思うスタジアムづくり」を目指し、具体的な調査ポイントや現状課題、理想像について議論を開始しました。ここでは、スポーツ現場で重要視されるホスピタリティの概念を共有し、「仕掛け人」としての視点を持つことが強調されました。なお、このプロジェクトには昨年参加した現3年生が毎年オブザーバーとして参加し指導やアドバイスを行なっています。特に入学して間もない1年生にとっては心強い存在になったのではないでしょうか。

 続いて6月15日には、大阪府吹田市にありますパナソニックスタジアム吹田にてスタジアムツアーが行われました。普段は選手や関係者しか立ち入れないバックヤードや設備を間近に見学し、スタジアム運営の裏側を深く理解する貴重な機会となりました。約90分間にわたるツアーでは、ガンバ大阪のスタッフによる説明や質問タイムを通じて、施設の構造、導線、各種設備の配置や工夫について多角的に学びました。

 さらに6月22日には、ガンバ大阪対FC東京戦の試合視察を実施しました。実際の試合開催時の雰囲気を体感しながら、各自が担当するテーマに沿って観察と情報収集を行いました。試合後には、ガンバ大阪スタッフとの質疑応答会も開催され、学生からの具体的な質問や提案に対し、現場の視点で率直な意見が共有されました。この経験は、机上の知識を超えて、課題発見力と現場対応力を養う大きな糧となりました。

 6月25日に行われた事後研修では、これまでの現地調査と試合視察を通じて得た情報を基に、各グループがアイデアの整理とブラッシュアップを行いました。学生たちは「KPT法(Keep・Problem・Try)」を活用し、現状の良かった点、課題、改善案を具体的に洗い出し、提案内容に磨きをかけました。ここではグループ内のディスカッションが活発に行われ、苦戦しながらも若い視点ならではの斬新な発想が次第に形になっていく様子が印象的でした。

 そして7月10日、ガンバ大阪スタッフをお招きして最終発表会が開催されました。各グループは5分間の発表時間内で、現地視察から得た現状分析、課題点、改善提案までを体系的にまとめ上げ、スライドを駆使して発表しました。内容には、グッズの新商品提案、ハーフタイム時における顧客満足策、大阪国際大学とのさらなる連携企画、飲食購入時のホスピタリティ向上策、ファンが一体感を感じられる応援席づくりなど、実践的かつ多角的な提案が盛り込まれました。

 発表を聞いたガンバ大阪スタッフの方々からは「年々レベルが上がっている」「すぐにでも取り組みたいアイデアがあった」といった高評価をいただき、学生たちの努力と成長が確かな形で認められる結果となりました。

 参加学生からも、「本当にガンバが抱えている課題に対して、自分のアイデアを考える機会がもらえたのが新鮮で、やりがいがあった」「試合を見るだけでなくチームで協力しながらテーマに沿って色々調べ、それを発表して頑張りを認めて貰えた」「試合を見るのはもちろん楽しかったがグループの人達と様々な意見を言いあって素晴らしいスライドができたので楽しかった」など、主体的に取り組む喜びと達成感にあふれる感想が寄せられました。
 本プロジェクトを通じて、学生たちはスポーツビジネスの最前線を体感し、現場目線での課題解決思考、コミュニケーション力、発信力といった多様な力を育むことができました。今後もこの経験を活かし、さらに成長していく姿が期待されます。実際にプロクラブと協働し「仕掛け人」として考え、動くこの機会は、学生たちにとって何物にも代えがたい貴重な財産となったはずです。