経営経済学部では、2022年6月26日に「ホスピタリティ論」(担当:経営経済学部 経営学科 田窪美葉教授)にて、大手航空会社の元CAで、現・和光大学経済経営学部特任准教授の永石尚子先生より、「エアラインのサービス戦略」についてご講演いただきました。
最初に、2020年GWに人がほとんどいなかった羽田空港や、コロナパンデミック前後の訪日外国人数の推移、航空機の使用状況、世界の航空会社や日系航空会社のコロナ禍の対応など、航空業界が受けたコロナパンデミックの影響について、データに基づきご説明いただき、利用率がコロナ前水準に戻りつつあるというIATAの統計や、日系航空会社が2023年入社の新卒採用を再開したなど明るいトピックもとりあげていただきました。
また、非航空事業の収益化への取り組みでは、エアラインビジネスの特性を踏まえて、詳細にご説明いただき、各社が行った最新の非航空事業のサービスについて示され、その内容に、新たなビジネスを考える視点でも、学生も非常に興味をもったようでした。
最後に、顧客体験価値の考え方だけでなく、航空機の緊急脱出試験にも見られる「安全」というサービス、そのほか、スイスチーズ・モデルやハインリッヒの法則など、航空業界に関することだけではなく、普段の学生生活にも関係するような身近な話題も提供していただきました。
ご都合によりオンラインでのご登壇でしたが、学生からは「大手航空会社からLCCをどう考えるか?」との質問に、「大手航空会社とLCCは目指すところが異なるし、棲み分けで共存できる。日本のLCCは安価な設定の中で、安全に配慮し、遅延も少なく、面白い(カジュアルな)アナウンスなども取り入れていて工夫を凝らし、非常に良いと思う」とのご回答もいただき、多くの学びを得た講義となりました。
【受講学生の感想(一部抜粋)】
「世界中を飛び回る夢みたいな職業ですが、その分、危険が伴っている中、事故を起こさないように日々努力しているプロがいる事がわかりました。」
「ニュースでは航空業界が厳しい状況ということを聞いていましたが、今回の講義で詳しく知ることができました。ANAやJALは耐えることができ、今後の新しい光が見えてきましたがコロナ禍を耐えることができず経営破綻した企業も多数あることも知りました。これから観光業会が盛んになり、今までしんどかった分、経営が回復していくことを願います。」
「若手社員が中心で考えた企画としての、余った飛行機×結婚式、フライトシミュレーターのどちらもコロナがなかったら生まれてこなかった企画かもしれないので、コロナがもたらしたものはウイルスなどの悲しいものだけではないのだなと思いました。コロナだからどうしようもないと諦めないで、心から現状打破しようと考えた従業員、人間の適応力はすごいと思いました。」