ご存知の通り、現在新型コロナウィルスを起因として社会は混沌とした様相を呈しています。このような社会環境の中であるからこそ、「今一度本学で学んでいることの意義を思い返してほしい」。そんな思いから、皆さんにメッセージを送りたいと思います。
松下幸之助の言葉に「人生における成功の姿は、予知できない障害を乗り越え、自分に与えられた道を着実に歩んでいくことにあらわれる」というものがあります。今、このような状況にあるからこそ、この言葉の重みを噛みしめ、在学生の皆さんと共有したいと思い、ここに記しました。
この困難に挫けることなく、この機会に読書に耽ったり、内省したり、自己の将来について思いをかけ巡らしたりと、この休校期間を有意義に活用してください。これから皆さんが叶えたい夢や実現したい目標を達成するために、一日一日を大切に過ごされることを切に願います。
今、目の前に起こっている様々な出来事は、数年後、皆さんが社会人として参画していく社会そのものです。この状況を他人事として看過するのではなく、「どうあることが最適なのか?」、「自分は社会に対してどんな貢献ができるのか?」、そんなことを冷静かつ理性的に考える時間にしてみても良いかもしれません。「リスク(危機)」は、「危険」と「機会」という2つの要素を包含しています。この「リスク(危機)」を、自己の将来形成の「機会」と捉え、4月以降の学生生活での学びに生かしてください。
また、本学の建学の精神には、「全人教育を基礎として礼節を重んじ世界に通じる心豊かな人間を育成する」とあります。「全人教育」とは、これから皆さんが歩まれる長い人生において様々な問題に直面された時に、その問題を自分で解決する力を養うために、人間を人間らしく育てる、全き人になれるよう教え育むことを意味しており、それを基礎にして、礼節を重んじ、世界に通じる「心豊かな」人間の育成を実践しています。「礼節」とは、社会の常識に反しない節度ある行動をとることを意味し、「心豊か」とは、他者を受入れる心を意味します。
本学に通う皆さんであれば、この建学の精神に記されていることが理解できると思います。ですので、今一度この精神を思い返し、大阪国際大学・大阪国際大学短期大学部の学生として節度ある行動をされることを期待します。
それでは、4月に元気な姿で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
令和2年3月9日
学長 宮本郁夫