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準優秀賞【日本語エッセー部門】 世界に触れて成長した私 ~一歩を踏み出す大切さ~ 大阪国際大学 3年 筒井 春菜さん

 あっという間に過ぎた四週間。辛かったことや楽しかったことの全てが、私を一回り成長させてくれた。
 私は自分を見失っていた。何がしたいのか、どうありたいのか。何も分からなかった。泣くことも心から笑うことも出来なかった。ただ現実から逃げ目の前にある壁を見て見ぬふりをしていた。そんな時に目にした海外研修のポスター。もしかしたら何か変わるかもしれないと思った。海外に行くのに不安がなかったと言えば嘘になる。初めての海外、英語はほとんど話せない。それでも、「今」を変えるために私は一歩を踏み出した。
 私が研修に行ったのはオーストラリアのブリスベン。不安よりも期待が大きくこれからの生活に心躍らせていた。しかし、私はすぐに壁にぶつかった。まずは言葉の壁。ホストファミリーが言っていることは何となく分かるが自分の気持ちを伝えることが出来ない。「yes」、「no」、「thank you」、「I donʼt know.」これだけで精一杯。もちろん会話も続かない。私は部屋に閉じこもっていた。学校でも周りは間違っても発言し、分からない所はどんどん聞くのに私は黙ったまま。そんな一週間を過ごした。また文化の壁も私には高く感じた。シャワーは一日一回で3~4分。トイレはバケツの水を使う。日本での当たり前は何も通じなかった。ある夜、一人で帰っている時に空を見ると、星がとても綺麗で、それを見て泣いている自分がいた。自分は何をしているのだろうと思った。私は周りの環境のせいにして、自分自身を変えようとしていなかった。そうじゃない。自分の考え方次第で環境は良くも悪くもなる。そう考えるようにした。その日から少しずつホストファミリーと話すようにした。片手に辞書で今日あったことを話すようにした。すると、ファミリーもいろいろ話してくれるようになった。一緒にカードゲームをしたり映画を観るようになった。私が話すのを待ってくれたり、分からなかったら簡単な言葉に直してくれたりした。少しの会話でこんなにも変わるのかと思った。授業でも発言するようになった。英語を学びに来ているのだから間違って当然ぐらいの勢いで発言した。すると、先生からよく当てられるようになったし、仲良くなれた。壁を作っていたのは周りではなく私自身だったのだ。そして大切な友達もできた。私が私らしくいれる、心から笑える場所を見つけることができた。
 私は周りのせいにして自分自身を変える努力を今までしなかった。オーストラリアに行き、それに気づくことができた。そして、思っていることは言葉にして言わないと相手に伝わらないことを学んだ。一歩を踏み出すのはとても勇気がいる。しかし、踏み出さなければ何も変わらない。何かを変えたいのなら一歩を踏み出す。そうすれば何か変えられると私は胸を張って言える。

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